押し入れ

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押し入れ

何処にしまってあるのかも 判らない般若の面。 実家の佛間にも飾られていない。 新治は夜中にもかかわらず実家に電話をした。 ノイローゼ寸前の自分をなんとか立ち上がらせたかったのだ。 「もしもし 新治だけど」 「どうしたの こんな時間に」 「母さん 頼む 頼みを聞いてくれ 」 新治は母に洗いざらい話した。 「解ったよ 新治、家族を大事にせにゃいけんよ、母さん探して出しとくから、心配しないで ゆっくり休みんしゃい」
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