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アタシはおとなしく家で家族が帰ってくるのを待った。
学校の宿題をやって、テレビを観て、夜7時を過ぎても誰も帰って来ないから、なんだか寂しくなってきた。
もちろんみなのことが心配だった。
アタシもみなの病院に行きたかった。
みなの傍にいたい、その気持ちが一番だったけれど、家族と一緒にいたい。
一人でいたくないという気持ちもあった。
夜の9時を過ぎると家族は帰ってきてお父さんはアタシに言った。
「ちひろ、もう寝なさい」
その顔は表情なんかなくて、ただ疲れているのがわかった。
小学生のアタシにもわかったのだから、相当疲れていたんだと思う。
アタシはみなが一体どうしたのかとは聞けなかった。
何か言えるような雰囲気じゃなかった。
仕方なくアタシはただ頷いて自分の部屋に行った。
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