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何日も前から猛暑が続いていた。
あまりの暑さに学校へ行くのも面倒だった。
しかしむやみに学校を休んだりしたら、友達がやたらと心配するだろう。
「……ん……ふあぁ」
ベッドから上半身を起こして腕を伸ばす。
時計の針は七時半を指していた。
いい加減準備しないと遅刻する。
重たい体を引きずってベッドから降りる。
眩しすぎる陽射しが目に痛かった。
「んー…」
しばらくの間、ぼーっとしていたい気分だ。
多分このまま外へ出たら灰になる。
「もーずー、遅刻するぞー?」
しかしそんな俺の願いも空しく、ドアをノックする音は無情にも俺を急かした。
「鴃、入るぞー?」
返事を聞かず、その声はさっさと部屋に入ってきた。
「逢瀬もさぁ、律儀っていうかなんていうか」
俺、菱荻鴃(ひしおぎもず)と逢瀬雪比良(おうせゆきひら)はルームメイトだった。
しかし、せっかく部屋が余っているのだから、と一人部屋になったのだ。
かつて一年程生活を共にしただけあって、雪比良は俺の事を心得ていた。
こんなに暑くてじめじめした日は、学校に行くのも億劫になる。
「まったく、まだ七月だっていうのに、これからどれだけ暑くなるっていうんだろうね?」
雪比良がカーテンを開けてぼやく。
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