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わたしはアボガドが好きだ。
毎日食べるというわけではないけれど買い物に行ったときは必ずチェックする。
アボガドは固すぎず柔らかすぎないものがいい。
深緑の皮に包まれているので触ってみないとわからない。
それなのにひどく傷むのが速い。
まだ固いから、と、うっかりしているといざ食べようというときに中を開くともう傷んでしまっていた、ということがよくある。
なので買ったらすぐ食べるか、マメにチェックしてないといけない。
アボガドとはなんて手がかかるのだろう。
わたしは買ってすぐ食べるわけではないので少し固めのものを、ひとつひとつ手で触って、うんと厳選して買う。
どんなふうに料理して食べようか…
パスタに入れて?
無難にサラダに入れてマヨネーズとブラッペッパーで味付け?
それともホットケーキに乗せようか…。
あれこれ考えるととても楽しい。
そうしていると、口に入れたとたん柔らかく、まったりと広がるあの味が浮かんでくる。
薄いようで濃厚さがあり、油っこいようでさっぱりとしている。
脇役のようで決して存在感がないわけではない。
そして、ちょっぴり青臭く、ほのかに、甘い。
その食材によってはアボガドを加えることでぐっと味が引き立ったり、まるで魔法のように味が変わるものもある。
そんな魔法が使えるアボガドにわたしはいちいち感動し、ますます虜になる。
そんなふうにあれこれ考えながら食べ頃になるのをじっと待つのが好きなのだ。
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