鮮やかな紅(くれない)

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いつもは遅刻ギリギリなのに、今朝は三十分も早く起きれた。 冷蔵庫をひっかき回して…冷凍食品を弁当箱に詰め込んで…ナマ乾きの制服を着込んで□▲※@#…玄関を飛び出す。 ふぅ。デキタ子供だっ。 結局、ママは帰らなかった。 慣れてるけど…。 当たり前の日常なんだけど…。 ボクにとって家族団らんは絵空事なんだね。 ムスメ♀よりオトコ♂なんだ? 真っ暗な気持ちを抱えて坂道を登ってると、一筋の光が差した。 朝霧が漂う校門をウロウロする、背の高い男子を発見しちゃった! 見覚えのある天然パーマが悪戯ゴコロを揺さぶる…。 ボクはワクワクしながら、背後からそぉーっと忍び寄る。 「あぁー。らぁー。たっ!!」 「うわっ!」 想像通りのリアクション。 可愛い…。 新汰の背中にしがみつきたくなった。 「おはよ。ちゃんとガッコ来たねぇ。」 「うん。」 寒さで紅くなった新汰の頬を見てたら、心臓がバクバクし始めた…。 あれ? どうしよう#@@#★★…! キミのカタチが整った唇にkissがしたい…。ボクはカルイコじゃないのに。 「行こう?」 「うん。」 うず巻くヨクボウを押しコロして、強引に彼の華奢な掌を握った。
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