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「鬼の若松」に見つからない様に、そぉーっと三組の教室を覗いてみた。
運よく新汰は一番後ろの席に座ってたから、すぐに発見できた。
おぃ。おぃ…。
寝てるよ…。
寝顔が可愛いなぁ。
気が弱いんだか、図太いんだか、よく分かんない子だね。
じぃちゃんの話を聞いた時、何だかなぁ…安心しちゃったんだ。
ボクは独りじゃないって…。
あの土手に座って、二人で青空を眺めたい。
そして、楽園に住んでる神様へ語りかけたい。
新汰に惹かれてるのかな?
口元に光るヨダレを見たら笑っちゃって、うっかり確信してしまった。
やっぱりボクって…「カワッテル」
この後、若松の怒号が校舎中に響き渡るんだろう。
「ご愁傷さまデス…。」
チャイムが鳴る前に教室に戻りたかったし、急いで下駄箱へ向かった。
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