2人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっそいなぁ…。」
ママから略奪したBaby-Gをチラチラ見ながら、通学路から少し外れた公園で新汰を待っていた。
下駄箱に地図とメアドを書いたメモを入れといたのになぁ…。
気付かなかったのかなぁ。
シカトされたのかなぁ。
新汰の顔を見るまでは、きっとこの動悸は収まらない。
校門で待ち伏せしても良かったんだけど、ボクみたいなオンナと一緒に歩いてたら、新汰が変な風に思われると嫌だし…。
「よっちぃ?」
うつ向いていた顔を上げると、イトちゃんが手を振りながら駆け寄ってきた。
「こんなトコで何してるの?」
あー。そうか。イトちゃんの家はこの近くだっけ。
「うん…。」
どうしよう…。イトちゃんなら打ち明けても良いかなぁ。
「なんか、暗いよ?どうしたの?」
イトちゃんは幼稚園からの幼なじみで、こんなボクでも優しく接してくれる。
「あのね…。」
誰かにこの気持ちを吐き出さなかったら、弱いココロが押し潰されそうだった。
最初のコメントを投稿しよう!