鮮やかな紅(くれない)

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「おっそいなぁ…。」 ママから略奪したBaby-Gをチラチラ見ながら、通学路から少し外れた公園で新汰を待っていた。 下駄箱に地図とメアドを書いたメモを入れといたのになぁ…。 気付かなかったのかなぁ。 シカトされたのかなぁ。 新汰の顔を見るまでは、きっとこの動悸は収まらない。 校門で待ち伏せしても良かったんだけど、ボクみたいなオンナと一緒に歩いてたら、新汰が変な風に思われると嫌だし…。 「よっちぃ?」 うつ向いていた顔を上げると、イトちゃんが手を振りながら駆け寄ってきた。 「こんなトコで何してるの?」 あー。そうか。イトちゃんの家はこの近くだっけ。 「うん…。」 どうしよう…。イトちゃんなら打ち明けても良いかなぁ。 「なんか、暗いよ?どうしたの?」 イトちゃんは幼稚園からの幼なじみで、こんなボクでも優しく接してくれる。 「あのね…。」 誰かにこの気持ちを吐き出さなかったら、弱いココロが押し潰されそうだった。
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