鮮やかな紅(くれない)

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「新汰?あぁ、転校生の飯田くんかぁ。何か赤澤くん達に囲まれて、反対の方へ歩いて行ったよ?」 不吉な予感がハシル。 みんなに見せる爽やかぁーなスマイルの裏に隠した…赤澤の爬虫類みたいに残忍な性格を知ってる。 気が弱そうな下級生をイジメる下撲の背後で、残忍な笑みを浮かべてるアイツを目撃した事があるんだ。 関わりたくなくて…知らんぷりしちゃったボクも同罪なんだけど…。 転校生で華奢な新汰なんて格好の餌食だよぉ。 「ねぇ!どっちへ歩いてったの?」 「痛いよぉ。」 気が付いたら、イトちゃんの肩を激しく揺さぶってた。 「ゴメン…。」 「よっちぃ…。何かヘンだよ?」 「ゴメンね。イトちゃん…。」 「んー。確か駅の方へ歩いてったかなぁ…。」 イジメのアジトは駅裏の駐輪場だっ! 「ありがと、イトちゃん!また、メールするっ。」 そう言い終わらない内に、ボクの脚はケンメイに駆け出していた。 「危ないコトしないでよぉ?」 イトちゃんの声が遠い。 神様。 神様。 神様ぁっ□※@▲→! どうか…新汰を助けてっっ…!!
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