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トボ、トボ、トボ…。
千載一遇のチャンスを逃したボクは、重い足を引きずって、土手の道を歩いてた。
小学生の頃から通ってる道なんだ。景色なんて見飽きたよ。
キレーな夕焼けだって心には響かない。
あれ?
あんなのあったかなぁ…。
土手の脇の草原に、不自然なくらい大きな樹が一本だけ生えてる。
いつもは気にもしないんだけど、何かずっと目が離せなかった。
あぁ、そうか。
真っ白な鳩が樹の辺りをグルグル回ってて、その羽根が鮮やかに映えていたからなんだ。
斜面を駆け降りて、ボクは大木の下へ向かった。
なんかいるのかなぁ。
巣箱でもあるのかなぁ。
目を凝らして、じっーとてっぺんを眺めてたら、白い靴がブラブラ揺れているのが分かった。
ヘンなの…。
「誰かいるのぉ??」
ありったけの大声で呼んでみたけど。返事は…ない。
ちょっと怖いよ。
幽霊?死体?何?何?
いくら退屈だからって、こんなスリルはいらないよぉ。
ガサガサガサガサガサガサガサ…□▲※★@
どすんっ!!!
ひゃああああっ@▲※★???
その場から逃げようとするボクの背後から大きな音が響いた。
心臓がメーター振りきるぅ▲※@★??
おそるおそる振り返ると、背の高い見知らぬ男の子が立ってた。
同じ学校の制服を着てる。こんな子、知らないよ?
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