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「ねぇ?あんなトコで何してたのぉ?」
無言。無言。無言…。
「ねぇ?何年生?何組?」
タメかな?知らない顔だ。
遠くを眺めてて、目がイッちゃってる感じ。
それにしても。
綺麗な顔した子だなぁ…。
男子の制服を着てなかったら性別が分かんないぐらい。
フワフワした猫っ毛が、夕焼けのオレンジ色に染まって輝いてる。
羽根が生えていたら、間違いなく天使(エンジェル)だ。
暫く、ぼぉーっと見とれちゃった。(うっとり…。)
「じゃあ…ね?」
あんまりに無反応だったから、シビレをきらしたボクは踵(きびす)を返して土手の斜面を登り始めた。
「うん…。」
不意のリアクションに驚いて振り返ったら、バランスを失って足を滑らせた。
「いたぁい□▲※@★!!。」
思いっきりお尻を打っちゃったぁ…。
カッコ悪い。
運痴(うんち)がバレた。
スカートが泥だらけになっちゃったじゃない。
「もぉっ!びっくりさせないでっ!」
すると、ゆるやかなモーションで細い綺麗な指をした掌が…差し出された。
「ゴメン…。」
その声は意外にハスキーで、躰(からだ)の奥まで響く感じだった。
なんか照れくさくて…その掌を振り払うと勢いよく立ち上がった。
「もう、良いよ…。」
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