第一章 「Ghost of the Schoolhouse」

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 in Future(その後)  雪はここ最近で一番、清々しい朝を迎えた。  完全に覚醒した体を洗面所に向かわせ、春先の程良く冷えた水で顔を洗う。  ひんやりとした水が、昨日の出来事を夢ではないと訴える。  一昨日からだろうか……いや、あの日からあの人を思うと雪の胸が高鳴る。  今日、御礼を言おう。  あの日、私を助けてくれた彼に。  雪は思う。今日は少し話し掛けてみようと。  あの時、この髪を綺麗と言ったあの人に……。  そう思いながら、雪のような柔らかい色の髪を撫でていた。 ・・・・・  何時もより少し目覚めが良く、何時もより少し早く登校すると、秋はげた箱で雪に出会った。  げた箱で遭遇するのは珍しいと、秋は思った。 「三神君おはよう」  ただの挨拶かもしれないが、明るく元気な声が雪から聞こえる。声を聴く限りじゃ解決したらしい。 「おはようございます」  同学年にしては少し堅いが、秋は挨拶を返した。  今日もまた学校が始まる。  ギャル三人はかなり有名だったらしく、見事に脱ギャルした彼女等を見た教師達は指導の成果だと喜んだとか……。 第一章「Ghost of the Schoolhouse」完
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