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プロローグ「学園仕事人見参!」
桜前線は空気が読めるんじゃないかと思うほど、タイミング良く咲き乱れる桜の咲く季節。
簡単に言えば四月の上旬、ギリギリ東京にある私立碧山学園高校もこの日、新入生入学式を迎えていた。
普通よりちょっと広い体育館には百以上のパイプ椅子が並び、新入生は十人十色の表情を浮かべていた。
緊張する者 気だるさそうな者 そんな中、ある一角でひそひそと話している声が聞こえた。
「ねえ、君どこ中?」
退屈な新入生は新たな友人発掘の為に、ベタな会話を始めた。
二人はひそひそと話しをするうちに、こんな話しに繋がった。
「君さ、八不思議って知ってる?」
最初に話し掛けた新入生はそう口にすると、相手は知らないと首を振った。
「俺の兄貴がつい最近までここの生徒だったんだけどさ、その兄貴が言ってたんだよ。この学園には八不思議があるってね」
得意気に新入生は話し始めた。
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