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おじいさんははあ、はあと肩で息をしながら私の元へとやってきた。
久しぶりに天気が良かったものだから、私に会いに来てくれたのだろう。
まったく。元気なおじいさんだ。
このおじいさんとは、もう長年の付き合いになる。
私は別に来てくれと強要をしている訳ではない。
それでもこのおじいさんは、天気のいい日にはしばしばあの長い長い階段を登ってくるのだ。
その行為が煩わしい、そう言っては嘘になる。
私の事を忘れずにいて、よく会いに来る事は純粋に嬉しい。
「ああ、疲れた。……お前は相変わらず元気だなあ。うらやましいぐらいだよ」
おじいさんも元気そうで、何よりだ。
最近は来なかったものだから、実は少しばかり心配していたのだよ。
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