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音西「はやっ。」 冷静に音西は驚いた。 2分前と今では体感的に3倍のスピードの差はあるだろう。 土井は'2分'という時間をかけて徐々に差をつめられる恐怖を植え付けようとしていた。 これもある種のチェンジオブペースだが外見に似合わずゆっくりペースをかえる'柔'のスタイルだった。 気づけばあと50cm近づいて手を伸ばせば届くような距離だった。 はっはっはっ 強く呼吸をしながら双方は走る。 土井『ヒャハァ。貰ったぜ。』 まるで突きのような構えで右手を悠人に刺す動作をしながら伸ばした。 松澤「あぁ~やられる !」 松澤が叫んだが隣にいた拓実はいたって冷静だった。 拓実「あいつはやられねえよ。」 土井の右手が悠人の背中にふれようとした瞬間 スカッ 気持ちいいほどきれいに右手は空を切った。 土井が顔をあげると悠人は3m先にいた。
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