★プロローグ★

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部活動に精を出す。 そんなありきたりの行動は飽きてしまって、やる気も特にない。 近寄れば、男とは思えないほのかな香りを纏い女心を時折擽る。 もっと、近くにいたい。 でも、開眼したときの瞳が恐い。 「参謀、耳寄り情報じゃ」 「たいした内容ではない確率が高い」 本当に中学生かお前ら。 格好は、青年で充分通る。一部は子供がいたっておかしくない。 細身の細目で、ノートに目を泳がせ銀髪の少年には声だけ送っている。 いつもなのか、銀髪また隣で笑っているだけ。 知らない人からすれば、萌えかもしれないが、二人のことをよく理解している者からすれば、どこが萌えなのか逆に教えて欲しいくらいだ。 「まぁ、聞きんしゃい」 全国大会も近づいているにもかかわらず、この余裕ぶり。 負けたら、恐怖政治が待っているとも知らないで可哀想な人だ。 馴々しく、己よりも高い身長の相手に手を置き勝手に話し出した。 影で見ていられなくなったのか、この部活の最高指揮者である幸村精市が二人の話を近くで聞きたくなり、寄ってきた。 ややこしくなる前に話を終わらせ、熱血副部長の相手をしてやらねばと柳蓮二は思うのであった。柳は、なぜか真田弦一郎といつも一緒にいるせいで禁じられた扉を開けてしまった可哀想な奴。と、して部活の仲間から暖かな?眼差しで応援?されているのだ。 実際の所、柳は男色ではなく、真田も一丁前に好きな女がいるらしく柳のマネをして、彼女についてノートを取っている。一種のストーカーだ。本人は気づいていないから内緒にしておこう。 「なんだ。暇そうに見えるが、俺は結構忙しい」 「そんなこといっていいのかのう。幸村が笑っているぜよ」 「面白い話なら、是非聞かないと。って、思って」 ややこしい。 くせのある連中ばかりの神奈川県にある立海大附属中学。 幸村に見つかるとろくな事が起きないことを知っている柳は、その場から去りたくなった。 「精市、部長なら止めたらどうなんだ。錦先輩が泣くぞ」 「錦先輩の耳に入っても、俺は関係ない」   .
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