★プロローグ★

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プイッと頬を膨らまし、柳を睨む男の子。 黙っていれば、女でも通用するが誰よりも男らしいと自分で思っているため恐くてそんなことは告げられない。 銀色の髪が風になびく。彼は仁王雅治といい、年上女性に人気がある。ちなみに、本人は自覚全くなし。 にやにやと笑うだけで、自分が持ってた話をしようともしない姿を見て柳は呆れた。 「仁王。話はどうした?」 「急かさなくとも、話す」 柳が聞けば、仁王はスゥッと息を吸い込み軽く深呼吸を始めた。 幸村は、今か今かと待っている。 嫌なことしか想像が不可能な柳は嫌々と話を聞くのであった。 「実はの、部活に精を出さない参謀のために、」 「失礼な。精がでないのはお前だろう。仁王」 「いいから、続きをききんしゃい」 幸村は、ハッとした。 まさかと思ったのだ。 自分の答えがもし仁王と一緒ならば、ジャッカルにデジカメを持ってこさせようと密かに企んだ。 「部活に精をだせないんなら、別のトコロに精を出しんしゃい」 「なんだ。そんな話か。くだらん。弦一郎の話の方がまだマシだ」 やっぱり。 仁王は中学生あるまじき事を考えている。 「あのさ、それって。まさか、そういうことなのか?」 幸村は、仁王に問いかける。 「さっすが、部長さんやの。幸村。頭の回転が速い」 「仁王。俺は断る。弦一郎に頼め」 「真田では、エロさが足りん」 「じゃあ、お前がやったらどうだ」 「俺は、とうの昔にやった」 どうしても、柳でないといけない仁王は口から出任せを言い、幸村が助けてくれることを刹那に思うのだ。 そんな幸村は二人の話を笑いながら聞いていた。 「お前ら、何をしている。後輩に示しがつかんだろう。早くコートに戻れ」 「真田。良いところにきたね。まぁ、部長の話を聞きなよ」   .
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