★プロローグ★

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タイミング良く熱血テニス馬鹿真田が現れ、幸村は仁王と柳から離れると真田に話し出した。 「蓮二。お前も来い」 「独りだと恐いのか弦一郎。中三にもなり恥ずかしい。お前の想い人が見たら泣くぞ」 テニスでは真田の圧倒的な強さだが、口では柳には勝てない。テニスとて、真田の完璧なデータが揃えば柳は簡単に勝つことが出来よう。 「蓮二ぃ」 「気色悪い声を出すな。馬鹿か貴様は」 とはいえ、幸村と一対一。 副部長とはいえ、恐い者恐いらしい。 「何もしないよ。ただ、部長として言わなきゃいけないことがあるだけ」 「真田。幸村を困らせたらいかんぜよ。後がこわか」 そこまで言われて、言い返せることも出来ないのか。 うつむき、幸村に連行されていった。 「蓮二のバカー」 老け顔でも中学生。 馬鹿と叫べば流石の柳も呆れる。 「アホ」 ボソッと呟く言葉は真田の耳だけには届かなかった。合掌。 真田が幸村にネチネチと文句を言われている間、柳仁王両名はまだ話を続けていた。 「俺は絶対にやらない」 「全国の乙女の為じゃ。脱ぎんしゃい」 「どうして俺なんだ」 「俺も不思議に思った。柳でも真田でも柳生でも赤也でも良いのに」 ちゃっかり自分を外すところが仁王らしい。 「上が決めたことじゃけぇ。頼む。このとおり」 初めてする土下座。 言っていることと顔が合っていない。 柳が了承するまで会話が続きそうだ。 「参謀。乙女の為じゃ」 「メリットがない」 「報酬と特典がつくぞ」 「ほう。しかし、乙女のためとはいえ裸になる意味が分からん」 「やりんしゃい。きっと、やっているうちに意味も分かる」   .
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