78人が本棚に入れています
本棚に追加
タイミング良く熱血テニス馬鹿真田が現れ、幸村は仁王と柳から離れると真田に話し出した。
「蓮二。お前も来い」
「独りだと恐いのか弦一郎。中三にもなり恥ずかしい。お前の想い人が見たら泣くぞ」
テニスでは真田の圧倒的な強さだが、口では柳には勝てない。テニスとて、真田の完璧なデータが揃えば柳は簡単に勝つことが出来よう。
「蓮二ぃ」
「気色悪い声を出すな。馬鹿か貴様は」
とはいえ、幸村と一対一。
副部長とはいえ、恐い者恐いらしい。
「何もしないよ。ただ、部長として言わなきゃいけないことがあるだけ」
「真田。幸村を困らせたらいかんぜよ。後がこわか」
そこまで言われて、言い返せることも出来ないのか。
うつむき、幸村に連行されていった。
「蓮二のバカー」
老け顔でも中学生。
馬鹿と叫べば流石の柳も呆れる。
「アホ」
ボソッと呟く言葉は真田の耳だけには届かなかった。合掌。
真田が幸村にネチネチと文句を言われている間、柳仁王両名はまだ話を続けていた。
「俺は絶対にやらない」
「全国の乙女の為じゃ。脱ぎんしゃい」
「どうして俺なんだ」
「俺も不思議に思った。柳でも真田でも柳生でも赤也でも良いのに」
ちゃっかり自分を外すところが仁王らしい。
「上が決めたことじゃけぇ。頼む。このとおり」
初めてする土下座。
言っていることと顔が合っていない。
柳が了承するまで会話が続きそうだ。
「参謀。乙女の為じゃ」
「メリットがない」
「報酬と特典がつくぞ」
「ほう。しかし、乙女のためとはいえ裸になる意味が分からん」
「やりんしゃい。きっと、やっているうちに意味も分かる」
.
最初のコメントを投稿しよう!