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父さん・・・母さん・・・
陽太が何度も何度も思い描いていた理想の家庭が目の前にあった。
目の前にある理想の家庭の中に、あの中に入りたい、今直ぐにでも飛び込んで行きたい。
・・・だけど陽太には分かっていた
これが夢だと言う事に
何故なら現実には、あるはずのない光景だったのだから
【無】の姫が言っていた
この世界は
『僕が描く夢の世界』だと。
僕の想いがこの世界を創っているんだ。
・・・・・・・ん?
まてよ?それなら【夢】の姫だって僕が思う姫になってるんじゃ・・・
暫く考え込んだ後
陽太は理想の両親の下へは行かず
いや、行けずに
離れた場所から溢れてくる涙を堪え手を振ると
両親を振り返らずにその場から走り去っていた。
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