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俺が心から崇拝し愛し敬う、10代目は今日も変わらず、可愛いらしかった。
いや、日毎その愛らしさ、美しさは増しているのだから、変わらずではないか。
『俺、獄寺君の髪の色好きだなあ。凄い綺麗だよねー。』
帰り道、そんなお方からの唐突な言葉に、
思考が追い付かなかった俺は、
さぞ間抜けなツラをしただろう。
まるで月の様だ……
ぼけっとする俺を他所に、更に続くお言葉。
『お‥俺変な事言ったね💦ごめんっ』
反応出来ずにいた俺に、
焦った様にかけられた声。
そこではっとして、
『いえっとんでもない!ただ突然だったからちょっと驚いちまって💦
十代目が謝るような事は何も無いっス!!!』
寧ろ、光栄です!!
と、熱を込めて力説した。ら、
小さな、お顔を歪ませて、『なら良かった。』と、照れ臭そうに笑って下さったから、
(貴方の方がよっぽど綺麗です。)
何て、思って、
でも、その笑顔に見とれて、言葉にするタイミングを逃した。
気付けば既に十代目のご自宅付近。
『ぢゃあまたねっ』
と、扉の向こうに消えた彼の人に、
明日会ったら絶対に言おうと、
開いた口を閉じ唇噛み締めて――――
『好きだなあ。』
脳裏に響くお声。に、
俺もです………
――――――思いを馳せた。
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