銀色

2/2
23人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
俺が心から崇拝し愛し敬う、10代目は今日も変わらず、可愛いらしかった。     いや、日毎その愛らしさ、美しさは増しているのだから、変わらずではないか。           『俺、獄寺君の髪の色好きだなあ。凄い綺麗だよねー。』     帰り道、そんなお方からの唐突な言葉に、 思考が追い付かなかった俺は、 さぞ間抜けなツラをしただろう。     まるで月の様だ……   ぼけっとする俺を他所に、更に続くお言葉。       『お‥俺変な事言ったね💦ごめんっ』     反応出来ずにいた俺に、 焦った様にかけられた声。     そこではっとして、   『いえっとんでもない!ただ突然だったからちょっと驚いちまって💦 十代目が謝るような事は何も無いっス!!!』     寧ろ、光栄です!!     と、熱を込めて力説した。ら、       小さな、お顔を歪ませて、『なら良かった。』と、照れ臭そうに笑って下さったから、     (貴方の方がよっぽど綺麗です。)     何て、思って、     でも、その笑顔に見とれて、言葉にするタイミングを逃した。        気付けば既に十代目のご自宅付近。     『ぢゃあまたねっ』     と、扉の向こうに消えた彼の人に、    明日会ったら絶対に言おうと、   開いた口を閉じ唇噛み締めて――――       『好きだなあ。』   脳裏に響くお声。に、   俺もです………     ――――――思いを馳せた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!