君色

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「何でいきなりあんな事を??」   「昨日十代目からお褒めに預かった時に思ったんス。『俺より十代目の方が綺麗だ』って!!」     綱吉の言葉に間髪入れずに答えてみせた獄寺。   「昨日言いそびれちまって、会ったらぜってぇ言おうって決めて、昨日の晩どう言おうか考えたんすよ!!」   ニカッと笑った顔はどこか誇らしげだ。       「獄寺君のが綺麗だと思うよ??💦」   「いいえ十代目の方がお綺麗です!」     会話は平行線を辿る。     そこで綱吉は一度言葉を切り、改めて獄寺の髪を眺めてみる。     見とれてしまう美しさだ。     そっと手を延ばして、毛先を摘んだ後、掬う様にして梳く、     髪は指の間を摺り抜け、重力に従って ハラハラと落ちていく。       綱吉に髪を弄られながら、獄寺もまた同じ様に綱吉の髪に手を延ばす。     細く、柔らかい、上質な絹の手触り。       気持ちよさそうに目を細めて擦り寄ってくる綱吉。           指先には愛おしい感触。
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