誕生日

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トラックで高速道路を走りながら頭の中では9時には家のソファーでビールを呑む姿を想像しながらモチベーションを高めた。 夕方6時頃辺りも暗くなり始めふと高速道路横の林に目がいった、 チカッ チカッ チカッッッ デジカメのフラッシュの様な光が目に止まった瞬間、青白い光と台風にも似た爆風がトラックに叩きつけてきた…… しばらくして、おでこに当たるハンドルの感触で気がつき顔を上げると辺りには何も無くトラックは高速道路の壁にぶつかり止まっていた… 真っ先に背筋に冷や汗がながれパニック状態になった。 マズイっ事故ってもうた! 謎の光や爆風など完全にどうでもよく まず頭に浮かんだのは荷台にあるお客の商品と社長の激怒する顔だった。と同時にビールで祝うハズだった誕生日は頭から消えていった。 ひとまず荷物の無事を確認するとトラックを走らせた、幸いトラックはミラーとフロントの部分はダメージがデカいが、走れないことはない状態だったので、配達を終わらせ足取り重く会社に帰った。 想像以上の激怒はなかったものの当然減給処分、事故はシフト過密の為の居眠りの自損事故として始末書を書き、家に帰ったのは誕生日の日付を2時間もオーバーしてからだった。 本当に多分疲れてたんだろう…自分に言い聞かせビールは1缶だけにして眠りについた…
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