26章 桜花祭

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夜。 食後にミーティングが開かれた。内容は次の公演をいつにするか?いつもならだいたい一週間くらい期間を空けるのが相場だ。 「しかし、今回は三日後に二度目の公演をする」 ゲンタオ団長の言葉に団員は驚いていた。 「突然なのはわかっている。だが、どうしても三日後ではならない理由があるんだ」 「団長…その理由ってなんだよ?」 ラオが戸惑った様子で問い掛ける。団員全員の疑問だ。 「実は昼に村長が私を訪ねてきて、三日後に迫っている『桜花祭』について教えられた」 桜花祭とはアーリィで毎年春に行われ、村をあげて桜の花見をするのと同時に新しい始まりを祝うという祭だ。 村長はオリエントサーカスに桜花祭を盛り上げてほしいと頼んできたのだ。 「三日ということは新しい演目は難しいな。セイヤ達はなんとかなるか?」 ラオの問い掛けにセイヤは唸った。 「オーコ達は?」 「難しいけど、やれるだけのことはやるよ。でも…」 いつもは明るく笑い声が絶えない場所なのに、今夜はドンヨリとした重たい空気に包まれていた。 「やろうよ……皆」 ヒナタが静かに呟いた。 「新しい演目でも同じ演目でも、村の人達は私達の公演を楽しみにしてるんでしょ?」 少女の小さな叫びが団員の心に突き刺さる。
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