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「では、初めまして、僕らのアリス。僕の名前は“チシャ猫”。さぁ、今度は君の番だよ」
チシャ猫と言うらしき少年はクスクス笑いながら言った。
「ボクはアリスと言う名前ではない。ボクの名前は、」
名前を言おうとした瞬間、
「・・・あれ?」
自分の名前が解らないことに気付いた。
チシャ猫はクスクス笑いながらボクに
「アリス、冗談はここまでにして行こう」
と言い、手を引っ張った。
「ちょっと、まってよ、ボクはアリスじゃないって、」
「~♪ーーアリス、アリス。ボクラのアリス。」
後半は聞き取れなかったがチシャ猫はヘンテコな歌を歌いながらボクの意思に関係無くグイグイ手を引っ張っている。
・・・すごい力だ。
こんな小柄な少年にあり得ない力で引っ張ってどんどん廊下へ連れていかれる。
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