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ジャキッ、ジャキッ、チョキチョキチョキ
朝。不吉な音がするなと思い瞼を開けると、クレアさんが俺の鳩尾の上に座っていた。苦しい。
『ぐぇ、お、おはようございます』
クレア『おはよ。ってもう昼だけどね。皆仕事に行っちゃったよ』
ニコニコ笑いながら上からどいてくれる。俺を見下ろすようにして立ち上がった。その手には鋏が握られていた。なにそれ怖い!
『…何か御用でしょうか』
俺の今の気持ちを表すなら、まな板の上の魚。
さっきまで笑顔だったクレアさんは、無表情になっていた。
クレア『昨日はよくも、あること無いことクリフとグレイに吹き込んでくれたわね』
何故バレた!?
身の危険を感じたのでバッと身体を起こす。その時、バサリと何かが布団の上に落ちた。
『…毛?』
薄茶色の短い毛が束になってぱさぱさと落ちてくる。
それを眺めているうちに気付いたが、いつもより視界がクリアーに見えるような気が…
『俺の前髪だァァ!!!』
寝てる間に前髪切られた!クリフみたいな手口だ!
額を触ってみると、前髪はかなり短く不揃いになっていた。
クレア『あの二人は範囲外だったからこれだけで許すけど…次やったら…』
こ ろ す ぞ ?
目でそう言ってから部屋を出て行った。
それからサム太郎はしばらく動くことが出来なかった(恐怖で)
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