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ザザァァ……
遠くで波の音が聞こえる。どのくらい眠っていたのだろうか。
俺は重たいまぶたを持ち上げた。
目に写るのは、青い空に白い雲。辺りを見渡すと、海には桟橋が架かり、陸には二軒の建物が建っている。
どうやら、どこかの砂浜に流れ付いたようだった。
春とは言えど、風が吹くと全身びしょ濡れの俺には堪える。
意識を朦朧とさせていると、建物からマッチョな人が出てきた。
?『あれ。観光の人ですKA?こんなところで寝てると、風邪をひきますYO?』
観光なわけあるか!死にかけてんだよ!
そう思ったが、ツッコむ力も残っていない。
この人に助けてもらわないとマジでヤバいみたいだ。
『あの…あなたの名前は……?』
?『え、俺、男相手にそんな趣味ないし…』
『違うっつの』
どんな趣味だ。つっこませんな!
ザク『俺はザク!ナスビ大好KIw』
ニカッと眩しいスマイルでそう言った。
『ザクさん…助けて……』
頭がぐらぐらする。
そこで俺の意識は途絶えた。
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