漂着

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…ワサワサ…ゴソ…… 近くから聞こえる物音で目を覚ました。真っ白な高い天井が見える。 『ん、ここは…』 ?『おや。気付いたかね?』 俺はベッドに寝かされていた。どうやらここは病院らしい。独特の臭いが鼻につく。 ?『君はまる二日眠りっぱなしだったんだ』 そういえば俺、海に投げ出されたんだよな。 トーレ『僕はトーレ。君は?』 『俺はサム太郎です。あの、ここはどこなんですか?』 上からジィっと見つめてくる、長身で白衣の黒髪の男。 トーレ『ここはミネラルタウンだよ。それよりサム太郎君、代金の請求なんだけれど…』 さっそく金の請求かよ、感じ悪ぃ。でも二日も世話になったしな。やっぱりお金はいるよなぁ。 だけど、ママのヘソクリも海に流されてしまったし(てか俺よく生きてたな)。 俺は今一文無しだ。バイトするしかねぇ。いつまでかかるかな… 『いくらですか?』 トーレ『一億Gになります!』 『ハァァ!?無理だよ!高すぎでしょ!?』 そんな額、一生働いても返しきれない。 トーレ『無理?』 トーレから滲み出てくる黒いオーラが見える。 しかし、そのオーラはすぐに消えた。 トーレ『サム太郎君。君は運が良い。あることをしてくれたらお金はいらないよ』 『本当ですか!?』 トーレ『ああ。実は、独自で開発した薬が完成してね。それを君に試させてくれるかい?』 トーレの手には、ぶっとい注射器が握られている。 その中身の液体は、ゴボゴボと音をたてている。 あんなん打たれたら死ぬわ!!image=99763048.jpg
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