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月が見ている  疼く傷後  光に照らされて  全て開かれ…  月が見ている  消えない罪  闇奥へ逃げても  付き纏う影…  耳障りなつんざく悲鳴  ささり…  手招きして惑わす優しい言葉  全てが縛り付ける…  万華鏡の世界はどこへ行こうとも  醜い私が責め立てる  幼子を捨ててしまった  狂える母が追い掛けた  血に染まる指先まで  乾いた喉まで  月は嘲笑う  無駄だよと かなわぬ夢の  見過ぎだったと 月は包む  薄暗い闇の 檻まですべて 切り取るように  求めた…日々の安らぎを  温もりを  鮮血で彩どった人生というおままごとを抜けて  あの日にした約束は  千の山にも満たない  綿のような罰の針を  あの人に与えた  裏切り裏切られるのが  最初から期待するのがおかしい  呪われた子供は石を積み嘆く…  儚く咲いた花を前に  涙を拭う 
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