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何処からは分からない。
仲間の声は頭の中でフラッシュバックを繰り返し、まるで耳元で話し掛けられているようだった。どこからともなく聞こえ続けるその声は頭の中で何度も繰り返されていた。
頭の中で交錯する仲間達。
有村に山本。そして佐藤に、安藤、河野、坂本。
全員が死んだ。
高橋は救出に来たヘリコプターの中で声も出さなかった。
『12月20日』にいつまでも居ることができればと思う。昨日はオフなのに仕事が入っても天国だった。仲間も全員生きていた。
昨日が全ての始まりだった。ウイルス兵器を積んだジャンボ機が墜落し、ウイルスは漏洩。
飛行機事故の死者は、死者に対しての空気感染力を持ったウイルス兵器により、全て感染者に変貌し、全国から集まったマスコミや遺族、野次馬を次々に喰い殺した。
次の日の朝には、高橋らを含む全ての自衛官達が基地から街に駆り出され、生存者の救出という令が出された。
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