ＫＩＬＬ２-狂乱の中で-

ゴーストタウン

「でも基地までどうやって行くよ？基地に人がいるとは限らないのに」

井手口が素直に述べた言葉は一瞬で三人を刺し貫く。現実的な言葉に肩を落としてしまう。

「お前って、すぐそうやってマイナス思考だよな。もう少しチームワークってものを考えろ」

井手口はすぐ思考が悲観的になる短所があった。これには三人も昔からいつも気を重くしていた。初めて万引きを働いた時もそうだった。今では日常茶飯事と化しているが、当初は手を焼いた。

「まあ基地までの足が無いと、歩けば丸二日はかかるな」

空気が悪くなる前にと、江原が言葉を紡いで間を埋める。