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――――。
カランカラン!
入り口のドアを開けると、ファミレス特有の客迎えのベルが頭上で鳴る。
本来ならば店員が出て来て喫煙席か禁煙席かの選択を迫られるところだが、店内は閑散としたままだ。誰も出てこなければ物音一つしない、そんな状況。
「厨房行こう」
江原の一言に肩を押され、三人は普段行くことの無い厨房へと足を踏み入れることになった。
レジを越え、銃を構えながら厨房に入る。中は電気が点いているが、コンロやガスも全て切ってあり、足音以外に音を見付けることが出来ない。いつ耳鳴りが始まってもおかしくない。
江原を先頭に、厨房の食肉用冷蔵庫を横切って奥へと進む。下野が見たという人物像は未だはっきりしていないが、三人は恐怖でいっぱいだった。
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