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三人は無言のまま厨房を見回したが、何も見つからない。あるのは調理中の料理だけだ。
厨房の奥へ奥へと進み、緑のドアが現れた。恐怖感は尽きないが、捜索は続けなければならない。率先して下野がドアを開けて確かめる。
「意外と広いねここって」
ドアを開けた先は搬入路のような場所だった。薄暗い部屋にいくつかのコンテナが立ち並んでいる。
「お前ら、客席の方を見ろよ。俺はここを見てくるから」
江原が小さく声を上げたのに対して、下野と井手口は小さく頷いて厨房を後にする。
江原は二人がいなくなると、拳銃を構えながらゆっくりと搬入路に足を踏み入れた。
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