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「いや....大丈夫」
井手口は傷を見せないように顔を背けると、一人の男の叫び声に気付く。よほど怪我を気にしてほしくないからか、井手口は二人を差し置いて禁煙席に向かった。江原と下野も井手口の後を追い、足を撃たれた男を見下ろす。
「で、コイツら誰なの?」
江原は戸惑いを隠せない。場の空気で一目瞭然だった。黒シーツを頭から掛けた男が二人に襲い掛かったということ。
「お前、ケガは?」
江原が下野に気を遣って言ったが、下野は「大丈夫」の一言で返した。
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