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古川はトカレフ拳銃を構えながらドアを開けて室内に入る。玄関には脱ぎっぱなしの靴が二足あった。やはり誰かがいるようだ。
「お邪魔しますよっと」
古川は靴を脱いで有村の家に上がり込むが、先程とは打って変わって物音一つしなくなっていた。
有村の家には一度しか上がったことが無かったが、警戒心を解いてはならない。トカレフ拳銃を片手に、ドアを開けて室内を確認する行動が循環していく。
次に来たのはリビングだった。昼間だというのにリビングはカーテンが閉められており、室内は非常に暗かった。
だがテレビは付けっぱなし。更にテレビゲームも付けっぱなしだった。周囲にはコンビニのパンの袋や食品の包装紙が散らばっている。
「有村?居ないの?」
ゲームは途中で中断され、操作する者がおらず、画面の中では主人公が操作者を求め、棒立ちになっている。
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