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古川は組み伏せられた状態で激しく抵抗する。片手に残っているバットを使おうにも、体重を掛けて押さえられているため、使えない。
その間にもう一人が部屋の外からやって来て、落ちていた拳銃を取ると、馬乗りにされている古川の頭に突き付けた。
「形成逆転だね古川」
名前を呼ばれた。古川は息を荒げながら間髪入れずに聞く。
「お前ら誰だ?」
そう言うなり、馬乗りになっていた人物が立ち上がり、窓際に進む。カーテンを引き、暗い室内が照らされ、古川はその眩しさに数秒間目が利かなくなる。
ああ、と情けなく呻き、手で両瞼を押さえつけて視界を回復させると、そこには見慣れた二人の人影。
「やっぱりお前...」
古川の顔がしかめ面に変わる。そして二人の人影は笑った。
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