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-オレも見つけたんだよ。大事にしたいヤツを。
でも、別の男と幸せそうなんだ。
オレはそれを壊したくない。オレの気持ちを無理やり押し付けて迷わせたくない。
オレ、今までオレのこと好きだって言ってくれてた子達にヒドイ事してたんだなぁ。
好きでもないのに付き合って、相手の気持ちを想うなんてしたことねーもんな。
やっと、みんなに並べた気がする。
「修ちゃん?」
「修ちゃん!もう昼休みだよ!その机の上の教科書、一限のじゃん。よくバレなかったね。」
「あ?優、この間は悪かったな。」
「この間って?」
「彼氏が学校に来てた日。」
「ああ。本当だよ。声掛けてるのに素通りするなんてさ。」
「ちょっと色々あってさ、立ち止まって喋る気分じゃなかったんだよ。
とにかく、ごめん。」
「あ…修ちゃん?」
修一はそれだけ言い残すと、席を立ってどこかに行ってしまった。
「変なの。」
修一の想いはもの悲しさを含んで、でも静かに新しい、美しい秋を迎える夏の終わりのようにひっそりと胸にしまわれた。
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