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「実はさ、今日オレが麻耶の事待ってたのは俊哉に頼まれたからなんだよ。」
「え?」
「詳しく言うとちょっと違うんだけど…。
麻耶、学校ある日は帰るの遅いみたいな話しただろ?
心配だってチラッと言ってたからオレがついてようか?って言ったの。
そしたら頼むって言うから。」
確かに授業が終わって部活をし、一年生だからということもあり、片付けなどをして帰ると、学校と家があまり近くないこともあって、家に着く頃は大体8時をまわっていた。
時には9時近くなることもあった。
「そ、そうなんだ…。」
「あれ?イマイチ元気出てないね。」
「そんな事ないよ!カズに迷惑かけちゃって悪いなぁって思って。」
「オレは別に大丈夫だよ。言い出しっぺみたいなもんだし、大体時間一緒だし、1人で帰るより2人の方が楽しいし。」
「あたしもそうだけど、今日みたいに待っててもらうのは悪いよぉ。
自然に帰れる時はお願いします。」
麻耶はそう言うとカズに向かって微笑んだ。
-あーあ。オレ何やってんだか。こんなんじゃいつまで経っても麻耶の事忘れられないじゃん。
今の笑った顔もスゲーかわいいし。
俊哉め…。ちくしょう。
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