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ピンポーン
ガチャ
「おう!」
「遅くなっちゃってごめんね。」
「しょうがねーよ。
さっ、上がれよ。」
「お邪魔します。」
麻耶は靴を揃えて俊哉の家に上がった。
「ねぇ、何でいつも誰もいないの?」
「うちの親、いまだに仲良いから日曜は大体2人でどっか行ってんだよ。兄貴も出掛けてるし。」
「ふーん。そっかぁ。」
「何で?」
「え?」
「いきなりそんなこと聞くから何でかなぁって。」
「えっと…なんとなく。」
「嘘だろ?ちゃんと言いたいこと言えって。」
「うん。何で会わせてくれないのかなぁって思ったの。
家の人がいない隙にこそこそ上がってるのがちょっと後ろめたい気がしてさ。」
「恥ずかしいだろ!
彼女とか言って紹介するの。
それだけだよ。」
「恥ずかしいの?」
「うちの親だってオレに彼女いるなんて思ってないだろうしさ。
絶対からかわれる。」
俊哉はその場面を想像しているのか苦い顔をしている。
「でも、会いたいなら今日夕飯食ってく?」
「き、今日?今日はいいよ。まだ心の準備が…。次!次会わせて。」
「わかった。」
2人は玄関で話していたが、結論が出たところで再び歩き始めた。
-俊哉何であたしが嘘ついてるのわかるんだろう?
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