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「ねぇ俊哉?優ちゃんがこの前ね、やっぱり付き合う人は身近な人がいいって言ってたんだ。」
「優ちゃんって麻耶と最初に仲良くなった子だろ?
何で?」
「優ちゃんは中学の時に付き合ってた彼氏と最近別れちゃったんだって。」
「何が原因で?」
「お互い生活が変わってすれ違っちゃったみたいだよ。新しい出会いも原因みたいだけど…。」
「そっか。で?」
「え?それで終わりだけど。」
「麻耶も近くのヤツがいいの?」
「そんなわけないじゃん!
あんまり会えなくて寂しいけど…。
どうしてそんな事言うの?」
「いきなりそんな話するから、そうしたいのかと思って。」
「そうしたいって言ったらどうするの?」
「オレは止めない…」
「…!
やっぱり。俊哉はいいんだ。
だからあんまり会えなくても全然平気そうだし、あたしのこと心配とか言ってもカズに頼んでおしまいなんだ?」
「カズに聞いたのか?」
「聞いたよ!悪い?
俊哉が心配してくれて嬉しかった…。
けど、けどあたしはやっぱり俊哉に来て欲しかったよ!
俊哉も部活大変なのはわかってるよ。
でも、平日全然会えなくて、休みの日だって会えるかわかんない。寂しいって思ってるのはあたしだけなの?」
「そんなちょっと会ったってしょうがないだろ?」
「あたしはちょっとでも会いたいのに…。もういいよ!」
そう言うと麻耶は俊哉の家を出て走って帰った。
残された俊哉はポカンと呆気にとられていた。
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