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「修ちゃん!」
龍太に促され、車の方に向き直ろうとしたとき、校舎から修一が出て来るのが見えた。
優は修一に向かって手を振ったが、修一は素知らぬ顔で歩いていた。
「友達?」
「うん。さっきの麻耶と瑞希と、瑞希の彼氏のカズ君と修ちゃんとあたしの5人で結構仲良くしてるんだけど…。」
優が龍太に説明している間に、修一は2人の横を無言で通り過ぎて行ってしまった。
「何、あの態度。」
「一応気を使ってくれたんじゃないかな?じゃあ、行こうか?」
「う、うん。」
龍太と優は車に乗り込んだ。
「車でデートなんて初めてだから緊張しちゃうなぁ。」
車が走り出して落ち着かない様子だった優が口を開いた。
「高校生じゃ、まだ車乗れないもんな。」
「うん。麻耶も瑞希も羨ましがってたよ。
あー。それにしても修ちゃんムカつくなぁ。」
「さつきの友達?モテそうな顔してたよな。優の友達はイイ顔揃いだなぁ。」
「そうかも。修ちゃん意外みんな彼氏と彼女いるもん。修ちゃんは恋したことないんだって。だから、彼女じゃなくて好きな子を探してるんだって。
でもさぁ、気を使うって言ったってこっちから話し掛けてんのに、無視することないよね!」
「まあまあ。
初恋がまだなんて珍しいね。不器用なんだよ。きっと。」
「そうなのかなぁ。」
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