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9月も下旬になり、残暑も大分落ち着いてきた。
優は大学生の彼と相変わらず仲良くやっているようで、楽しそうに日々生活している。
修一の想いは、誰にも、もちろん優にも知られることなく、修一の心の中にしまわれていた。
「なぁカズ、お前と瑞希って、当たり前だけど、お前が瑞希のこと好きで、瑞希もお前のこと好きなわけだよな?
それってどんな感じ?」
「はぁ?修!頭打ったのか?」
「打ってねーよ。ちょっと気になっただけ。」
「修らしくないなぁ。
でも、マジっぽいから真剣に答えるけど、幸せとか、好きとか、不安とか色んな感情が混ざった感じかなぁ。」
「ただ幸せなだけじゃねーか。やっぱり。」
「当たり前だよ。オレが言うのもなんだけど、あんだけの美人だぞ?他に男寄ってきてもおかしくないし、それにさ、瑞希の心の中はオレにはわかんないから。」
「何かあんの?」
「そうじゃないけど、誰だってそうだろ?例え彼氏だろうと彼女だろうと家族だろうと、他人の本当の気持ちはわかんないだろ?
オレは幸せだぁ。って思ってても、隣にいる瑞希が本当にそう思ってるかはわからない。
それが時々怖くなったりするよ。」
「難しいんだな。」
「でもさ、それも相手のことが好きだから、その人と2人で幸せだって思いたいからなんだよな。
だから、幸せな悩みなのかもな。
大切にしたい相手がいるんだから。
修も早く見つけろよ。」
「お、おう。」
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