衝突

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通い慣れたはずの通学路だったが、一生家に着かないのでは?と思う程長く感じる。 沈黙が重い。 「あの…」 「何?」 「今日はどうして?」 「…。」 「何で怒ってるの?」 「…。」 「俊哉!」 「お前さぁ、人の話は最後までちゃんと聞けよ。」 「どういうこと?」 「オレはまだ途中だったんだよ。『オレは止めない。って言いたいけど、そんなの困る。』って言おうとしたの。 それをさぁ、最初の一言だけ聞いて怒って出て行きやがって。」 「うそ…。」 「ウソなんかつかねーよ! その後も何も連絡してこねーし。」 「だって…。 ごめん。」 「お前が他の奴と付き合って良いって思う訳ないだろ。」 「でも、会えなくても平気そうだし、そう言ってたじゃん。」 「忙しい中で無理して会ったら、オレも麻耶も余計疲れるだろ? それより、ゆっくり会える時間を大事にしたかったんだよ。」 「それでもあたしは寂しいな…。」 「うん。来れる時は迎えに来るよ。」 「え?」 「麻耶の気持ちわかったし、カズと麻耶が一緒に帰って来るの見たら…イヤだったんだよ。なんとなく。 カズが『オレが麻耶の事送ってやろうか?』って言うからそんなに考えずに頼んじゃったんだけどさ…。」 「俊哉…。」 「毎日は無理だけどな。 おっ、着いたぞ。」 「俊哉ありがとう! ワガママ言ってごめんね。」 「いいよ。じゃあな。」 「うん。ありがとう。」
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