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「あたしはね、中1の終わり位から付き合ってた彼氏がいたんだけどね。
高校入ってすぐに振られちゃったんだ。
同じ高校に好きな人が出来たんだって。
2年も付き合ってたのに、終わる時は突然であっという間だったなぁ。」
優は明るい口調で話し出した。声は明るいままだったが、話が進につれて、表情は曇っていく。
「1年の時同じクラスでね、好きになったけど、なかなか告白出来なくて…2年生でクラス替えがあるじゃん?もし離れちゃったらもう話せないかもしれないって思って告白したの。
そしたら向こうも『好きだった。』って言ってくれて付き合うことになったの。
クラス替えでやっぱり離れちゃって…でも、周りに付き合ってる人とかあんまりいなかったし、恥ずかしいから隠れて付き合ってて、手紙交換したり休みの日会ったりしてた。
2年の終わりになると、周りにもカップルが増えてて、あたしたちも一緒に帰ったり出来るようになったんだ。
初めて一緒に帰った時は凄いドキドキしたなぁ。嬉しくて手繋いじゃったりしてさ。
2人きりで会ったりしてたし、付き合って1年も経ってたのに。
喧嘩とかもほとんどしたことなかったよ。優しい人だったからさ。」
優は顔を伏せた。
「クラスは違ったけど、毎日会えたし、近くにいるのが当たり前だったんだよね。高校離れちゃったけど、大丈夫だと思ってた。そんなこと位なんでもないって。
でも、違った。
あたしもやっぱり寂しかったよ。でも、好きだったから。
向こうは違ったみたい。近くの子の方がいいとか言って、さっさと同じ高校の子と付き合い出してたよ。
あたし達の2年間ってなんだったのかな?
あたし1人でずっと舞い上がってただけだったみたい。
はい。これであたしの話はおしまい。」
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