出逢い

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 HRを告げるチャイムを机に頭を預けて聞いていた。  僕の席は一番奥の窓際である。開いている窓から入ってくる暖かい風に辟易しながら、しかし多少の秋を風に感じていた。  チャイムが終わりしばらくすると、担任の能登が教室入ってくる。 「荒木と新藤はまた遅刻か。しょうがねえなぁ」  教室に入るなり、文句を言い始めた。この人は相変わらず、物事の順序を考えて話すということをしない。 「お、忘れてた! おはよう」  本来なら、その挨拶を真っ先にするべきだろう。    挨拶を終えた能登が連絡事項伝え始めようとした時、教室の後ろの戸が遠慮しがちに開いた。もちろん、戸が遠慮したわけではない。 「お前らなぁ、遅刻すんなよ。そろそろ指導しなくちゃならないだろ」  能登の言葉に、教室に入ってきたであろう荒木と新藤の言い訳を、目を閉じながら聞いていると、前の席の秋山から声を掛けられた。 「シュウちゃん、ちゃんと話聞いとかないと怒られるよ」
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