6人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「ひっでぇわ…。」
「うぅむ…血の匂いが凄い…」
「………。」
「ラルゴ、そこの瓦礫を退かせるか?」
「あ、はい。」
そこには、想像を絶する程の景色があった。
「手掛りも何も無いな。」
「そりゃそうだろ。こんなに滅茶苦茶だったらさぁ。」
「どうしますか?大佐。」
「そうだな…先ず、魔族が何処に向かったのか、それが分からなければ此処から動けない…」
「……此処をずーっと先…」
「…?ミラ、今なんて言った?」
「此処からずーっと先に行くの!そうすれば、魔族が居るはず…」
「何故分かる?」
「分からない…けど、何か感じるんだ…。…魔力反応…?」
「おい…魔力反応って特殊な機械を使わなければ、分かんない物だぞ?」
「ミラ…まさか、魔力反応を感知出来る能力を持ってるんじゃないか?」
「魔剣錬成師であれば、可能性はありますね。」
私に…魔力反応を感知出来る能力が…?
有り得ない…。
けど、此処をずっと先に行けば、何か手掛りはある感じがするんだ…。
「ミラを信じて、この先を行くぞ。」
「うん。」
「おう!」
「はい。」
夜明けが近いのか、東の空が明るくなってきた。
そして、それと同時に嫌な予感がしてきた。
「急がなきゃ…。」
最初のコメントを投稿しよう!