全てはここから!

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優しかった、おばあちゃんの手に、忘れる事のない温もりを感じながら、もう一度、強く握ると、急に、光が走り出した、いや、自分が、凄いスピードで飛んでいるのだ。どのくらい飛んだのだろう。光の渦の中を進むと、金色に光輝く階段が見えて来た。階段の一番下にたどり着いた。下から階段の上を見ると、雲がかかり上の方が霞んで見えない。そっと、優しく、手を離したおばあちゃんが、[さあ、しょうちゃん、此処から登って行くんですよ!]そう言って、俺に、ニッコリと、微笑んでくれた。[おばあちゃん、此処は何処なの、おばあちゃんは、行かないの?この感覚は、何処まで続いているの?]いろんな事が頭の中で、質問を繰り返した。[大丈夫。なにも、心配しないで、登ってごらん。]そんな声が頭の中に響いて来た。おばあちゃんは、階段の方を指差してただ、優しい笑顔を俺に向けている。俺は、軽く頷いて、階段の一段目に足をかけた。
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