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大きな光輝く扉が、音もなく開いた。中に一歩入った。なんだろう?この心地よさは!今までの痛みが嘘の様に消えた!苦しみも一切ない。鳥のさえずりが聞こえる。ふと見上げると、見たこともない、鳥達が、飛びながら、鳴いている。なぜか、鳥達の声の意味が判る。俺を、歓迎してくれている!おばあちゃんに手を引かれながら付いていく。足元が柔らかい。ふわふわして、まるで雲の上を歩いているみたいだ。いろんな物が、見えてきた。見たこともない果実をつけた樹。その回りにエメラルドグリーンの水をたたえた池。その回りにいるいろんな動物達。見たこと事のある動物もいる、見たこともない動物達の姿もある。でも何故か、必ずつがいでいる。それらの動物達が一斉に、俺を見る。皆の声が聴こえてくる。歓迎してくれている![いらっしゃい][よく、頑張ったね。][待ってタヨ。]いろんな声だ。ニッコリ笑っている様に見える。先に進むと、何故か、白い服を着ている大勢の人達がいる。急に、抱きつかれた!握手を求められた。キスを頬にされた。大人もいる、子供も、年寄りも。何なんだ此処は?おばあちゃんは、ユックリと、俺の手を曳いて行く。俺の目の前に、大きな建物がある。お寺か?ギリシャの神殿か?とてつもなく大きく光輝く建物だ。其処で、おばあちゃんが立ち止まった。[しょうちゃん、此処からは、貴方一人ですよ!]頭の中に響く優しい声。おばあちゃんを見ようとしたら、其処には、おばあちゃんはいなかった。俺は、言われた通り、その建物の中に入って行った。
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