序 章

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   自分で言うのもなんだが…、俺はモテない君では、無い。  馬鹿では無いし、 ルックスも…悪くは無い……。  それなりに女も居たし、遊んでも来た。  結婚していた事もある。    …認めたく無いものだな、若さ故の、過ちというものは。  等と、年齢相応の遊び心も持ち合わせている。    何不自由無く、両親健在の幸せな家庭に在って、育って来た。    先日両親に、彼女にフラれてしまった事を話すと、 「そりゃ、おめぇが。自堕落で計画性が、無さそうに見えるけぇぢゃろぅが。」  等と、的確な指摘を受けてしまった。    ……流石、我親父。  いや、残念ながら、親父には、しょっちゅう殴られていたけども…。   元々、だらしの無い処は有るものの、全くの無計画人間や無かった筈なんやけどな………。    ギャンブルもしなけりゃ、アホな道楽者でも無いし、酒も殆ど呑まないし…。  しかし、“借金”が在るのだ。  …実体の無い借金。  判りやすく、形在る物は、車とバイクだが、 それらはそんな、贅沢な代物や無い。  細かい説明は省くが、 離婚後のゴタゴタや、一時の生活苦の時に借りてしまったのが、元々の始まりでした、 その後。  流れて行く、時間のなかで人間として、男として、ゆっくりと自信を無くしていき、 「どうせ、俺なんて。」 と、悪びれてしまったのが、運の尽きやね。    結局、じりじりと増え、 減らしては増やし、 「どぉでも、えぇやん。楽しけりゃ。」 等と、自堕落に陥り、 更には“片付けられない男たち”に迄、成ってしまった。  いや、片付けは元々苦手やけど、酷く成ったのね…。  …そして、彼女にフラれたのだ。
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