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「お前泥田坊の泥ついたままだと錆びるぞ。」
泥田坊の首を一瞬で切り落とした事に驚く事もなく朱が忠告する。
「あぁ!それなら心配ないよ。泥には触れてないから。」
「陽香能力使ったの!?俺、報告書に書いてないよ?」
疾登が訊ねる。
「あいつ汚いもん。…っていうか何報告書勝手に書いてるのよ!チクれないじゃない!」
陽香は先程より更にイライラしてるようだ。
疾登に文句をぶつけている。端から見れば彼氏が彼女に怒られてるようである。
「おい…!終わったんなら帰るぞ!俺は明日学校なんだよ」
「そうだね。陽香も学校だろ?報告書は俺が出しとくから二人は帰っていいよ。」
陽香と朱が頷きその場を去っていく。
風が出てきた。生温い空気はいつの間にか晴れ、少し肌寒い。
「暖かくして寝るか。」
疾登は呟いた。
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