序章/名前のないホテル

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編集部配属6年目、変な仕事を貰った。 「遠藤、うまいこと穴埋めてくれ。」 ヲバサン雑誌の編集部。 「マヒロちゃんと、療養してたあそこのヴォーカルの、あれ、あれさ。あと少して裏取れるんだよぉ…。マヒロ枠開けてるって編集長に急かされてるんだよぉ…。」 同期の沢田が泣き付いてきた。 そんな 枠埋め記事 簡単にお蔵だしできるもんか。こっちは他に暖めてる企画があるんだぞ。 「ネタはあるっ!カラダが空かないんだ…。お前これやってみてくれよぉ…。」 奴の片手には『Lastweek Hotel』という、一冊の本。 ああ、これか。 自殺サイトの隠しリンクからアクセスすると 予約できる、とかいう都市伝説がベースの…ちゃらちゃらした …小説だっけか?
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