第一章

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しかし、確実に新の中には2人の人格があった。 新自身ともう1人… 闇の中に蹲り蠢いていた赤く光る眼の何かが… 「まぁ、人間には自分を無意識に護ろうとする防衛本能というのがあるからな。無理に押し込めて置くと何をしでかすか解ったもんじゃない。」 「しでかすのはお前だろうが!?」 「はっはっはっはっ!成る程、そりゃそうだ。だがお前達、人間だってとんでもない生き物だぞ?」 口振りからそれはやはり人間ではないようだ。 「昨日殺してやった奴など俺よりひどい奴じゃないか。」 「だからって殺していい人間なんていない!」 「…お前、本気でそんな事言ってるのか?」 「当たり前だ!」 「それはどうかな…」 「どういう意味だ!?」 「元々人間は殺戮が大好きな生き物じゃないか。」 「バカな事を!」 「まぁいい。俺はお前の中に棲み着いてお前が殺りたいと思う相手を殺ってやる。」 「俺に殺したい奴なんていない!」 「いいんだいいんだ、無理するな。成るだけ大勢の方が嬉しいがな、期待してまっている。」 「勝手な事を!?」 「俺は一眠りする。用があったら呼んでくれ。」
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